・7冊目
【タイトル】世に棲む日日(4)
【著者 】司馬遼太郎
【出版社 】文芸春秋
【一番心に残った人物】
高杉晋作を支持した商人達
【感想 】
面白かったです。四境戦争の経緯を知る事で、行動力の大切さを感じました。
奇しくも当時の晋作と私は同年代にあります。こういった点からも非常に活気付けられる思いです。
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ふと10年ほど前、友人宅で麻雀をしていた時の一場面を思い出しました。
配牌は3色目、ツモも調子が良く5順目あたりに好形のイーシャンテンになります。
しかし、7順目あたりで他家の河から自分の欲しいキー牌が既に握られている可能性が高い事に気づきました。
決め打ちをしているつもりは無かったのですが、方針転換するメリットも感じられなかったのでそのまま打牌を続けていると、
それを後ろで見ていた友人Aが『そっちかぁ』と言いました。
当時、よく打つ麻雀仲間が10数名居て、友人AとB、そして私の3人だけが抜きん出て好成績であった事もあり「自分は弱くは無い」という自負がありました。
そういった経緯もありAの『そっちかぁ』と言う言葉に納得がいかず、その局の後に牌を開いて考察し、理由を聞きました。
BもAと意見を同じく「自分だったら方針転換する」と言う事でした。
どちらの意見が正しいかという議論が無意味である事ぐらいは解っていたので、その時は「まぁそういう考えもアリだな」と結論付けた…気がします。
そして今、世に棲む日日を読み終えて、何故『そっちかぁ』に対してAやBの意見を受け入れられなかったのかが明確に理解出来ました。
人が持つ意思の慣性 が原因と思います。
「一度決めたことは最後までやり遂げる」という言葉があります。
これを目標達成の為の自己研鑽として使う点には異論ありません。
しかし目的・行動の正当化のための根拠としては通用しません(でもこういう使い方としての方がよく耳にする気がする)。
なんだろう、慣性というより惰性と言った方が適切なのかな……
あの時の自分は「新たらしい情報」を踏まえた状況分析を適時行い、今まで行ってきた自身の行動を否定し(方針転換)、最終目的の為に行動を変えられなかった奇兵隊みたいだなと思いますた。
私も高杉晋作のように最終目的を見据えて、新しい情報が得られれば都度中間目標を見直し、場合によっては過去の自分を否定する事を躊躇わない人にならなくては と思いますた。
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