米軍がビンラディンを殺害したと報じされてる。過去に何度にもわたり同じような事が報道されており、これ自体も今となっては胡散臭い話だが、それ以上に『正義は遂行された』というのが気になった。正義とは何なのか。
クレヨンしんちゃんの父、野原ひろしの「正義の反対はまた別の正義」という台詞があるが、いろいろと考えされられるものである。恐らく報じされている正義とは『キリスト教にとっての正義』であろう。もっと厳密に言うと、アメリカにとっての正義かもしれない。更に厳密に言うと、共和党を代表とする、アメリカ保守派の上層部にとっての正義のように思える。少なくとも、イスラム過激派の正義ではない事は確かだろう。
アメリカが世界の警察を自称し始めてからしばらく経つが、確かにアメリカはその子分にとっては非常に頼りになる存在ではある。今回の震災の際にも、地震直後に冷却材を積んだ艦隊を派遣し(その使用を拒んだ馬鹿は置いといて)、即刻廃炉を求め非常に高い危機管理能力を示した。
良し悪しの判断は別に、リーダーとしての素質は十分にある強力な国家である事に異論は無い。
しかし、その反面半ば強引なキャンペーンや扇動が目立つように思える。
一昨年、前期後期に渡り欧米経済論の講義を受けたのだが、そこでアメリカの政策や経済について学んだ。
最初の授業からフリーメイソンとその影響という、先生はムーの編集者か愛読者ですか?とつっこみたくなるような内容だったのだが、小林由美『超・格差社会アメリカの真実』を教科書に様々な事象を分析していった結果、私はいろいろな考えがあることを学んだ。最も通説と意見を異にするものを挙げておく。
・フセインと911、アメリカの陰謀説
かつてアメリカの強力な同志であったイラクは、2001年の911以降テロ国家として認識されるようになった。
先生曰く、これは2000年に石油取引の決済通貨をドル一本からドル・ユーロの二本立てに変えようとした事が原因としている。
世界の基軸通貨であるドルから、影響力を拡大しているユーロへとシフトさせていく事は、経済的視点から考えると当然の様に思えるが、これをアメリカは嫌った。
世界一大きな軍隊と、大きな赤字を抱えるアメリカは戦争をしたくてしょうがなかった。
もしかしたら、フセインはアメリカ高官の指図に従い、ユーロ導入を考えたのかもしれない。当時共和党政権だった事や、ブッシュとフセインは父の代から付き合いのあった事を考えると何か裏があると考えてもおかしくはないと思う。つまり、フセインは騙されたのではないかという説だ。
911に関してもきな臭い情報がたくさんある。例えばアラビア文字で書かれているパイロットマニュアル。これは全世界共通で『英語』によって運用されている管制官やパイロット教育を考えると、存在するものではないと先生は指摘している。また、わざわざそんなものをアメリカ国内に持ち込み、証拠として残すような事をするとは思えないとも言ってた。
次に、ペンタゴンに突っ込んだ残骸が10数キロに広がって飛び散ったという情報。飛行機の墜落というのは非常に大きな衝撃であると思うが、それにしたって10数キロも破片が飛び散るものだろうか?
911当日のワールドトーレドセンターについても、当時アメリカに住んでいた先生の娘さんなどからの情報によると多くの会社が業務を停止していたそうだ。これ以外にも『アメリカ同時多発テロ事件陰謀説』とかで検索すればいくらでも出てくる。
・アメリカは自国民を殺してでも経済を立て直す必要があるのか?
これは明治初期の日本を思えば、必要のある無しに関わらず共通する部分を感じるかと思う。
明治維新とともに、日本には大量の武士という名の軍人が溢れた。いや、元武士と言うのニートが溢れた。極めて端的に言ってしまえば(多くの語弊を招く事を承知で)それらを処分する為に西南戦争が起き、日本人は殺しあった。西郷隆盛と大久保利通、最も熱い時代に生死を共にし、血より濃いもので繋がっていた二人が敵同士の大将となり殺しあった。
人を殺す事、自分を殺そうとする者に対処する事に人生を賭けた集団、つまり軍隊という存在は核燃料と通ずるものがあると思う。
その熱は常人には計り知れないエネルギーを内包し、扱い方を誤らなくてもいずれ爆発する。人類は今までそれを爆発せずにおけた事があっただろうか?
その爆発により発生したエネルギーは必然としても、そのベクトルをどう表現するかについて世論の受け取り方は大きく変わる。その表現方法に関するテクニックだけが発展しただけに過ぎないのではないかと思う。
なんだか纏まりの無い文章になってしまったけど、要はビンラディンが死のうが生きてようが、憎しみの連鎖は終わらずに、負のスパイラルは加速するだけだと思うのだが、どうだろうか?
エネルギーを他国にぶつけずに、自らの腹を切る事で収めた(台湾に飛び火してたけど)武士道や倫理観を再考する必要があるように思える。
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